思わず、右手をしまった。
左手で、ぎゅっと押さえて。
衝動... してしまった。
「... ... 桜?」
びっくりして、こちらを向く亮樹兄ちゃんが見える。
あたしだって、こんなことするつもりじゃなかった。
... こんな。こんな。
「っ... ごめんなさい。」
小さくつぶやくと、割れたお皿を拾おうとしゃがんだ。
そのとき、亮樹兄ちゃんがあたしの手をつかんだ。
「待って、危ないからさわるな。」
そう言うと、無言で拾い始めた。
あたしは、その様子をただ見てるだけ。
そんなことしてると、なんだかどんどん情けなくなってきて。
目が熱くなって、だんだんと涙がたまってきた。
必死に泣くのを耐えていると、もう掃除は終わってた。
一度ごみを捨てに部屋を出て、戻ってきた亮樹兄ちゃん。
なにも言わずこちらを見てくる亮樹兄ちゃんが怖かった。
「ごめんなさい... 。ごめんなさい、ごめんなさい。」
だから、ひたすらに謝った。
すると、ポンと頭に手が置かれた。


