目の前に置いてある、ご飯。
... 食べたくないな。食べる気分じゃないもん。
「はぁ.... 」
ため息しか出ないよ。
治療、しなくない。したくない。
したら、また苦しくなるのがわかってるもん。
だから、余計にしたくない。
窓の外を飛んでるカラスでさえも、自由なのがうらやましくみえてきちゃう。
... 逃げようか?
いや。でも。そんなの... ...
そんなことを考えていたら、ドアが開いた。
「調子はどう?お昼は食べたー?... って食べてないじゃん。」
いつもの調子で入ってきた亮樹兄ちゃん。
でも、あたしは窓の方を向いたまま。
「... 食べたくないんだもん。いらない。」
『私、ご飯食べれなくなっちゃってね。
だんだんとのどの筋力が弱くなっ ちゃって。』
... なんで思い出しちゃうの。
ぶんぶんと首を振るけど、晴ちゃんの顔が頭から離れない。
「さーくーら。聞いてる?早くしないと、お部屋移動... 」
パッシャーン
床にお皿やご飯が飛び散った。
大きな音をたてて。
「っ... !」
ハッと気がつくと、右手が勝手に動いていた。
バラバラに飛び散ったご飯、割れた皿。
あちこちに落ちてるのを呆然と見ていた。


