ゆっくりと、受け取った。
左手、右手。1枚の紙だけど、ぎゅっと。
「... ありがとうございます!」
パチパチパチッと拍手が鳴る。
胸の底からぐっと嬉しさが込み上げて。
どきどきと心臓の鼓動が感じた。
嬉しい。... うれしい。
ぎゅっと目をつむると、まぶたの裏にいろんな思い出がよみがえってきた。
ぱっと目を開けると、いつもと変わらないみんなの笑顔。
「ふふっ... みんな、ありがとう。」
でも、まだ信じられない。
ここにみんなが来てくれて、あたしのためにこんなにしてくれて。
みんなが、病室に集まってるってこと自体が信じられない。
ううん、それ以上に嬉しい。
だって、こんなこと... 知らなかったんだもん。
亮樹兄ちゃんだって、茜さんだって、言ってなかったし。
くるっと後ろを向くと、ふたりとも笑ってる。
もしかして、朝からちょっと怪しいところがあったのは、この事だったのか。
「さっ、行くよ!」
えっ?実優?行くってどこに?
「え?だって、最後のホームルームは終わってないんだよ?
今度こそ、クラス全員そろったんだから!
あ、桜。プレイルームってピアノあったよね?!」
え、あ、うん。あるけど... なぜに?
すると、実優は満面の笑みで言う。
「じゃあ、そこが最後のホームルームの場所だ!」


