「えっ、桜が泣いた~。」
「やばい、うちらも泣きそう。」
あちらこちらから聞こえてくる声は、みんななつかしい声で。
それにも嬉しくて、よけいに涙が出る。
実優は笑いながら、あたしの背中をたたく。
「もー桜は。あっ、先生!桜の卒業証書!」
ガヤガヤしてた中で、"卒業証書"という言葉が響いた。
あたしも、ピンと背中が伸びて。
「そうだった。そのために来たのに。」
なんて、先生らしからぬ言葉を一言。
そして、紙袋から大切そうに取り出したのは、1枚の卒業証書。
先生はあたしに手招きして、目の前に立った。
ゴホンと咳払いをすると、読み始める。
「卒業証書。右は本校において、中学校の課程を卒業したことを証する。
3月12日、おめでとう。」


