ゆっくり、少しだけ目を開ける。 すると、けげんそうに腕を組んであたしをにらんできた。 うぅ... 。しらんぷり、しらんぷり。 「そっかぁ...。わかった。じゃあ、桜預かるよ。」 亮樹兄ちゃんは、そう言ってあたしを抱きかかえる。荷物も受け取った。 「翔、ありがとうね。今日は俺仕事もう終わってるから、こいつ診たら連れて帰るよ。だから、もう遅いし帰りな?」 「あ... うん。」 あれ?翔、声の元気がないけど... 。