亮樹兄ちゃんは、ふぅと息をつくとあたしの目を見た。 「桜。この前の検査結果が出たんだけどね?」 ......あたし、亮樹兄ちゃんのこの目を知ってる。 あのときと、同じ目。りんときれいな目のなかに、悲しげな不安げなものを感じる。 ソファーについてる手は小さく震えてるし、声もいつもとは違う弱々しい声。 あたし、知ってるよ......? 「桜。さくらは..」 「やだっ!」 亮樹兄ちゃんの言葉をさえぎって、叫んだ。思わず耳をふさぐ。 言いたいことなんて、わかるんだよ。