「... ふん。亮樹兄ちゃんがダメって言っても行くからね。」




すこしにらんで言った。


すると、亮樹兄ちゃんは腕を組んで。




「... そんなことしたら、どうなるかわかってるよな?」





... そんな怖い顔しても行くもんね。


...... 怖くないもん。




亮樹兄ちゃんはため息をついた。


そして、あたしの目の前にイスを置いて座る。



「なぁ桜。こっち向いて?」



向かない。向きたくない。




だって... 学校。最後の学校なのに。


みんなと卒業できないの?


思い出がたっくさんある学校に行くのは、受験の前日のあの日が最後だった?


... そんなのやだって。

あたしだって、行きたいもん。





「... ほら、こっち向いて。」



そうぐいっと顔を向けられた。