「っ... !やだやだっ!絶対に嫌だからね!」





「... 出してあげたいのはやまやまだけどさ。」



「嫌なのっ!!」




お部屋中に響いた声。



それは、あたしの叫んだ声で。




だって...




「卒業式出れないなんて、やだからね!」





亮樹兄ちゃんは困り顔。はぁとため息をついた。





「けどね、桜?今の体のことを考えると、やっぱり行けないよ。」





弱々しい声で、頼りない。


けど、あたしだって、本当は亮樹兄ちゃんだって卒業式に出させてあげたいって考えててくれるのはわかってる。




でもでもでも!

やっぱり、出たいじゃん... 最後だもん。

あたしの中学校生活、病気だけじゃなかったもん。



もっと、友達とか部活とか先生とか... 。



色々あったのに。





「... あたし、いまは体なんてべつにいいもん。

卒業式の方が大事。」




「こら、そういうこと言わない。」




すこし怒った声で言われた。