「ちがうもん... ひっく、んッ。
怒ってる。あたしがっ、なかなか... 治んないから。」
そうだよ。いくら治療しても治んない。
だから、亮樹兄ちゃんも... そのうち... 。
「ッ...! ひっく... 。」
ボロボロと涙がこぼれる。
ごしごしとふいて、きっと赤くなってるだろう。
「違う。違うよ?桜がなかなか治んないから怒るって... そんなの違うにきまってるだろ?」
「だって。だって... ッ治んないもん。
がんばってもがんばっても治んないんだもん。
だからッ... 亮樹兄ちゃんに迷惑かけてる。亮樹兄ちゃんだけじゃなくて、他のひとも。」
涙がとまらなくていると、亮樹兄ちゃんがそっとあたしを抱きしめた。
しばらく、トントンと背中をさすってくれた。
ここまで、頑張ってきた。
いままでにないくらいの大変な治療を頑張って、やっと一段落ついた。
... なのに。
ここで、やめたくないのに。なんで、やめたいなんて思っちゃうの?
頑張りたいの。最後まで... 。けど。


