コン、コン、コン、と足音がこだまする。
病院の職員用の駐車場に入ったのは何回かあるけど、それも小さい頃だった気がする。
あたしは、部屋着のままだから、すこし寒い。
亮樹兄ちゃんについていくと、車の前まで来た。
「おいで。中に入りな?」
手招きをされて、中に入った。
椅子の上に、ふかふかのクッションがあって、これは小さいときからお気に入り。
「あ、桜。もうちょいそっち行って。」
えっ、亮樹兄ちゃんここ座るの?いつもは運転席なのに。
「亮樹兄ちゃん?どこか行くの?」
亮樹兄ちゃんは首を振った。
え... ?
「だって、話するのにいつもの病室じゃ嫌だろ?」
あ... だから白衣も着てないの?
...けど。


