「まあ、俺らもなるべく痛みとか減らせるようにするからさ。

桜も、なにかあったらすぐ言えよ?」



... あたしがもっとも苦手なやつ。






いや、そんなにじっと見ないで...


やります、言いますから...。




「まぁ桜も我慢するからね~。痛いとか辛いとか言ってくれたら楽なのに。

どーしてそんな意地を張るかねー。」




そりゃ... 治療が嫌だからにきまってるじゃん。

なんて、言えないけどさ。




亮樹兄ちゃんは、あたしの頭をくしゃくしゃっとなでた。


そして、ふっとほほえんだ。



「まぁいいや。また来るからな。」



そう言って、部屋を出ていった。






亮樹兄ちゃんが出ていった途端、部屋がしーんとなった。


そうしたら、また胸の底からじわじわと悲しみがわいてくる。





「んー、つらい......」