「っ....ふっ..ひっく。亮樹兄ちゃんっ。」




優しく笑う亮樹兄ちゃんに、思わず抱きついた。


ぽろぽろと涙が出てきて、ぐいぐいと亮樹兄ちゃんの白衣でぬぐう。



「ちょっ、おまえ俺ので拭くなよなー。

ほら桜、大丈夫だから。」




怖かった... 気持ち悪かったし、つらかったし。


これ、いつまで続くんだろ。




「怖い...亮樹兄ちゃん、怖いっ...。」


消えそうな声でそう言うと、ベッドの上に寝かされた。


なんだかわからないけど、離れたくなくて。それでも抱きついた。



「おお... わかったわかった。

つらいね。よしよし... 」



いつもより、亮樹兄ちゃんが甘いのは気のせいだろうか。


けど、あたしにはそんなこと考えてる余裕もなく。




「んーっ、やだ... やだ。やっぱやめる。」



つい、こんなことを口走ってしまった。