「うんっ...」
うなずくと、亮樹兄ちゃんの膝に顔をうめた。
ポロリとひとつ、涙がこぼれた。
肩が震えてくる。
ホッとしたのか、悲しいのか... 。
「ねぇ桜?頑張れるよな?」
「......んー、うん...」
「自信なさげだな。」
そう笑う亮樹兄ちゃんをよそに、あたしは布団のなかに入った。
むくっと、顔だけ布団の外に出す。
「ねぇ、亮樹兄ちゃん?」
「ん?」
「今やってる抗がん剤も、そのため?」
亮樹兄ちゃんは、あたしの顔を見つめると、ゆっくりうなずいた。
わかる。いつもより、強いの。
吐き気やら熱やら.... とにかく尋常じゃない。
いつもより辛いのが身にしみてかんじるもん。
「そう。そうなんだよ。
移植は、他の人のを桜の体の中にいれるんだよ。だから、そのためには強い薬を使わなきゃいけないんだ。」
そっと頭を撫でながら言った。


