どかっとあたしの隣に座る亮樹兄ちゃん。



「今日は楽しかった?」



「うんっ!久しぶりにすごく楽しかった。病気のこと、忘れちゃうくらい。」



亮樹兄ちゃんは微笑む。



「だな。桜、すごい楽しそうだった。」



そういう亮樹兄ちゃんも結構楽しんでたような...。


けど。




「ねぇ、あたしも、いつか今日みたいに普通の日常を、ふつうに送りたいなぁ。」



ここは、病院だから。


ふつうの生活もできない。


けど、だからこそ。いつもの日常が大切に思えてくるの。




すると、亮樹兄ちゃんはあたしの頭を軽く小突いた。



「くるよ。すぐ来る。だから、大丈夫。」





優しい声で、安心する。




ほんとに、来てほしい。


遠くてもいい。時間がかかってもいい。



...けど、必ず来てほしい。