お祝い会が終わり、みんなが帰った夜。




もうすぐ消灯時間だけど、あたしはひとり携帯を見ていた。




べつに、だれかと連絡してるわけじゃない。


...見てるのは、昼間に撮った写真。



ケーキがあって、後ろで3人でピースしてる写真。





......こんな似たような写真、 家にいくらでもある。

この携帯のなかにも、探せばあるはず。



けど、この写真だけはなんか違う。


見てると自然と笑顔になってくる、そんな写真。





「......これ、あたしのお気に入りだ。」



携帯の待ち受け画面にした。






「おー、まだ携帯見てんのか?もうそろそ寝なよ?」



亮樹兄ちゃん...いつの間に。


っていうか、入るときノックしてよね。いちよう、あたしも女の子なんだし...。