「脱走したの。夕方ごろ。」
「...へ?脱走?それで家帰ったの?」
俺は静かにうなずいた。
「んで、この傷は... なんか理由があるんだな。
じゃあ、話の前にいっかいこっち終わらすぞ。」
そう言うと、佑真は再び手元に集中しだした。
傷口のまわりをぽんぽんとさわってる。
「いってぇ...あんまさわるなよ...」
佑真、意外と雑なところあるからな..。
「あー、ごめん。
これ麻酔打つけど、まぁご存じのとおり痛いから頑張れ。」
...... 気のない"頑張れ" だな。
忠告どおり、腕にぎゅっと力を入れると、すぐに痛みがはしった。
「っ.....!」


