コーヒーを紙コップにふたつ入れると、佑真の隣のイスに座った。
佑真は構わず作業を続けている。
「あのさ、忙しくなければ...だけど。」
「え......俺いま忙しい。」
冗談まじりに、笑いながら言う佑真。
「だよな。いや、ちょっと頼みがあってさ。」
「亮樹が頼み?めずらしい。なに?」
...目を見開くほどめずらしいか...?
俺は、佑真の目の前に、包帯で巻いた左手を掲げた。
「...これ。縫ってほしい。」
佑真はそれを見て、またまた目を見開いた。
そっと俺の左手を手に取って。
「うわ... これまじかよ。痛そうだな...。
ってか、忙しくなければ...じゃねぇよ。緊急じゃん。」
そう言うがいなや、コーヒーをぐっと飲みほすと、イスに乗ったまま近くの医療用棚まで手を伸ばす。


