「...よし。桜?ちょっとこっち見て?」
体を起こされて、向き合わされた。
亮樹兄ちゃんの顔は、さっきみたいな泣き顔じゃなくて、すこしだけ... いつもの顔にもどってた。
「んっ... ふっ」
「桜、ごめんね?ごめん...。
俺が悪かった。いきなり変えて... なにも言わなかったもんな。
それで、桜も嫌だったんだよね。」
亮樹兄ちゃんの悲しそうな顔。
あたしはこくっとうなずく。
「でも、俺はね。亮樹兄ちゃんは、桜のことが大切だから、治ってほしいから、上原先生にお願いしたんだ。
上原先生は腕がいいベテランのお医者さんだし。
...でも、桜は嫌だったんだよね。ごめんな。無理やりにして。
でも、桜が大事だからしたことなんだよ。見る捨てるとか、そんなんじゃない。」
「でもっ... あたし、亮樹兄ちゃんのこと
... だいきらいって... 言っちゃったもんッ!」
すると、亮樹兄ちゃんは苦笑いした。
「ふふっ。だからって俺は、桜のことそんな簡単に嫌いになるわけないでしょう?」


