足をジタバタしてたら、膝が手にぶつかって、カッターを落としてしまった。




「いたっ......!!」



人差し指がスッと抜けた感覚がして、その直後に血がにじんできた。



刃で指切っちゃったんだ... 。



コロンと音をたてて、カッターがころがった。



いたい... こんなすこしの傷でも、こんな痛いんだ... 。




けど。傷の痛みより、心の痛みの方が比べ物にならないくらい痛いんだね... 。






しだいにポタポタと血が床に落ちてきた。





「はぁはぁはぁ... 」





涙でぐちゃぐちゃで、息も苦しくて、なにがなんだかもわからなくなってきて。





あたしはただ、ぼーっとしていて、なにも感じなくなっていた。