「桜ちゃん、ここにおいで。」


おじいちゃん先生の言い方はとっても優しいけど、それと裏腹に行動はすごい無理やり。


ぐいっとあたしの手を引っ張って、ベッドに横にさせると、シャツをめくられた。




「っ...!やだっ!やめっ...」




茜さんも、その無理やりさに目を丸くしながらも、あたしの手を握った。




「桜ちゃん、がんばれ!」



背中にヒヤッとした消毒がされたかと思うと、チクリという痛みが。



「いたいっ...」



ばたばたしてるのに、体は動かなくて。


やだ... 怖い、怖いよ。


亮樹兄ちゃんは無理矢理になんかやらないのに。

あたしが落ち着くまで待っててくれてたのに。


この先生、怖い...。




「じゃあ麻酔してから採るからね。」



「やだっ... 」


あたしの声も届かず、背中に痛みがはしった。


ぐぐっと押されるような感覚。




「やーっ!いたいっ!やめっ...

痛いっ!もうやだ...!」


なんか亮樹兄ちゃんのときより乱暴だし...。


痛いし、怖いし不安だし...。


いろいろ感情がかさなって、涙が出てきた。


「ひっく... ふぇっ... いたいぃ... 」




終わる頃には、号泣していて。


まだ痛いし、この先生嫌だし、怖い。




上原先生、出血止まるまで休憩って、呼びだれてどっか行っちゃった。