ピッピッピッ...




機械の音が部屋に響く。


口元には、なにか白い... 酸素マスクだ。そういえば久しぶりにつけたな...。



なんてぼーっと考えながら。


天井を見た。




ここ...どこだ?


あたしの部屋...か。いつもの病室じゃん。





なんだか、息が苦しい。

体も痛いし、頭もぼーっとしてるし。





ゆっくり起き上がると、ため息をついた。





「あたし...なにを......あっ!」




どのくらい寝てたんだろう。倒れる前のことを忘れていたなんて。




そうだ。亮樹兄ちゃんが主治医を変えるって... そしたら急に息が苦しくなって...。







そのときのことを思い出すと、また胸が締め付けられるような気がする。






「っ...!はぁ...。」



だめだめ...ゆっくり、深呼吸...。





何回かしているうちに、だんだんと苦しいのがなくなった。





ガラッ



「桜ちゃーん...えっ!桜ちゃんっ!」



突然ドアが開いて、入ってきたのは茜さんだった。