「...さくら...さくら。」
誰かの声が頭に響く。
なんだか、そのたびにズキズキとして、痛い。
目をゆっくり開けると、すぐにまぶしい光が入ってきた。
「...ん。まぶし...。」
起きようとして動かした体は、なんだか重い。
......熱、絶対上がってんな...。
「桜、大丈夫か?」
キッチンから聞こえてきた声。
いつもと変わらない、亮樹兄ちゃんの声だ。
「うん。まあ。亮樹兄ちゃん、帰ってきてたんだ。」
なんだか頭がボヤボヤしてて働かないけど。
「うん、さっきな。翔もいたけど、何時まで遊んでたの?」


