「ほら、しばらく寝てろ。これ以上上がったらまた病院だろ?」
えっ!それはやだっ!
「じゃあ寝ろよ?俺は勉強してるけど。」
そう言いながら、丸いテーブルに教科書やらノーとやらを並べた。
「えぇー...ずるい。あたしも受験生。」
「だから、はやく体調治して勉強。」
「......だ、か、ら、あたしも翔と同じ高校受けるのに、負けちゃうじゃん...。」
「そこかよ。」
翔はふぅと息をつくと、あたしのノートをペラペラとめくった。
な、なにしてるの?
「わかった。勉強するポイントとかノートにひととおり書いとく。わかんないところとかも俺に聞いて。いつでも答えるからさ。」
「え、ほんと...!」
「うん。だから、今は寝ろ?いいな。」
そこまで言われると、文句なんて言えなくて、しぶしぶ目を閉じた。


