悠斗くん、今年1年生になったばかりなのに... すごく喜んでたのにな。 病気は怖い。 人が死んでしまって、そのたびに命の尊さが身に染みてわかる。 俺はちらりと病室を見ると、家族みんなに囲まれて、眠るように目を閉じている悠斗くん。 ご両親は泣いていて、 まだ3才の弟は、たぶん意味がわからないんだろう。 首をかしげて、“おにーちゃん?“なんて言ってる。 「今は、ご挨拶はよそう...。」 一言、自分に言い聞かせるようにつぶやくと、再び廊下を歩いた。