あたりは真っ暗で、すっかり夜中になった。 俺はというと、あれから仕事に身が入らず、ずっとボーッとしたまま。 暗い廊下を、ひとり歩いていると ひしひしと悲しい声が聞こえていた。 「悠斗っ...!死なないでよ!生きてっ...生きて...」 声のする方を見ると、ひとつだけ明かりがついている病室。 ............悠斗くん、亡くなったのか... 。 この仕事柄、人の生死に直面する日々。 わかってはいるけど....、 人の命が亡くなっていくのを見たくない。