「直人君、もしかして...。」
「あ、谷口さん。直人君、俺が駆けつけたとき発作が起きていて、いちよう吸入器で処置はしときましたが...。」
亮樹兄ちゃんが説明すると、谷口さんとかいう看護師さんはペコッと頭を下げた。
「すみません!ありがとうございます。」
「おねーちゃん、亮樹せんせー、ありがとう。」
そう笑顔で手を振ると、看護師さんに抱えられて病室に戻った。
直人君が行って、静かになった。
そういえば、まだ朝なんだよね。
あたし、朝から50メートル走したのか...。
...なんか疲れちゃったな。
急に体が重くなってきたかも。
そのままイスに座る。
「桜。ありがとな。ごめんな、走らせちゃって。」
そう言って、あたしのおでこをさわる。
んっ...冷たい... 。
「えっ?桜、また熱上がってきたか?
...とにかく、お部屋に戻ろっか。」
あたしは亮樹兄ちゃんに抱き抱えられ、病室に向かった。


