亮樹兄ちゃんは、男の子のパジャマのボタンを外すと、胸に聴診器をつけた。
その顔はすごく真剣で。
不覚にも、あたしでもかっこいいと思っちゃう。
顔はいいのに...どうして彼女はいないんだろ。
そんなことをボーッと考えていると、足をバンバン叩かれた。
「痛い痛いって!なによ?」
「直人(ナオト)君の病室から吸入器持ってきて!はやく!」
な、直人君ってこの子?
病室ってどこなの?!
「どこ?!」
「この階の一番奥の部屋!」
一番奥の...。
あたしは、急いで走り出した。
一番奥って...、めっちゃ遠いじゃん!
あたしはとにかく走り続けて、一番奥の病室へ。
ネームプレートを見ると、杉野直人と書かれていた。
「ここだっ!」
中に入ると、テーブルの上に飛行機のアップリケがついた巾着袋が。
あっ、吸入器じゃん!
あたしはそれを持って再び直人君たちのもとへ。
ハァハァ...これじゃあ50メートル走だよっ!!


