私が少し動こうとしたら宮田君は離れてくれた。 だけど、凄く距離は近くて、それがまたドキドキした。 「宮田君」 決して、ほだされたわけではないと思うの。 夏の暑さにやられたわけでもない。 でも、抱きしめられて、それに背中を押されたのは確かかなって思う。 もしかしたら私は押しに弱いタイプなのかもしれない。 ただ、もう、私、知らないから。 どうなったって知らない。 そう思わせたのは他でもなく宮田君だ。 「分かった」 「.......」 自然といいかなって思ってしまった。