......嵐が去った。
とりあえず男バス集団が去った後、ポツンと一人、下駄箱に取り残された。
ほっと一息ついて。
「まったく、結城君は.....」
ちょっと愚痴も溢れる。
その時、
「及川さん」
私の名前を呼ぶ声がした。
反射的にパッとその声の方へ振り向くと
「あ、宮田君....?」
「......」
そこにはいつも通り、怒るでも笑うでもない感じの表情をした宮田がいた。
でも、普段教室で見る制服姿じゃなくて、バスケのTシャツに、ハーフパンツと、部活終わりのラフな格好だった。
いつもの清潔的な印象の綺麗な黒髪が汗で少し乱れてる。

