「無理です!」
だが、間髪入れず琶子は断る。
「無理なのは分かっている。その理由は、もう知っている」
清の言葉に琶子は顔を歪める。
「だったら、何故、そんな意地悪なことを言うの! ……ですか」
ギュッと握った両手が拳を作る。
「意地悪……ねぇ、何故だろう。君を見ているとすっごく虐めたくなる……いろいろな意味で」
「ストップ!」
則武が声を張り上げる。
「清、ここで俺様出してどうする! 交渉決裂だけは勘弁してくれ! なっ!」
縋るような則武の瞳が清を見る。
「でも、久々だね、こんな人間らしい清を見るの……何か嬉しいかも」
裕樹は、則武の気持ちなどお構いなしに愉し気に言う。
「シャーラップ! 何度も言わせるな! 裕樹、お前は黙っていろ!」
則武の本気怒りモードに、ハ~イ、とふざけた様子で裕樹は肩を竦める。
清は二人を一瞥し、琶子に向き直る。


