「琶子に手を出したら、タダではおかぬ、と申し上げた筈ですが……」
薫は琶子を背中に隠し、鋭い眼差しを清に向ける。
清はポーカーフェイスを保ったまま、薫の後ろに佇む琶子に視線を向ける。
「君は俺に借りがある。言わば恩人だ。その恩人に失礼な物言いだね」
琶子は薫の背中から右横に少しずれると清を見上げ、睨み付ける。
「借りは返します!」
「どんな方法で?」
清の問いに琶子はグッと言葉を飲む。
フッと意地の悪い笑みを浮かべ、清が言う。
「方法がないなら、則武のイベントに出てやれ、それで恩はチャラだ」
清の口から飛び出した、まさかの発言に、エッ! と則武も裕樹も驚く。そして、さっきまでの不穏な態度は何処へやら! 満面の笑みを浮かべ顔を見合わす。
「奴はやっぱり策士だな! これでチェックメイトだ」
「本当、一枚も二枚も上手だね!」


