「薫ちゃん、おはよう。フレンチトースト作ってぇ」
「薫さん、おはようございます。お手伝いします」
「桃花、琶子、おはよう」

薫は鼻歌を歌いながら、出窓に並んだハーブの鉢植えに水をやる。

琶子は桃花を抱っこし、カウンターテーブルのハイチェストに座らせ、棚からダンガリー地のエプロンを取り出し身に着け、シンク前に立ち手を洗う。

「琶子、卵五個とミルクとバターを出して。それから朝食後、ディナーの準備手伝ってくれる? 今夜はバーベキューよ」

「了解です」
「ワ~イ! バーベキューだぁ~!」

琶子は冷蔵庫を開けながら嬉しそうに答え、桃花がパチパチと手を叩く。