「薫ちゃん、打ち上げケーキは?」
桃花の声で登麻里と薫のヒソヒソ話は中断する。
「用意してあるわよ。もう食べるの? あんなに食べていたのに」
「私もお願いします。パーティーの料理食べ損ねました」
琶子が情けない顔で、お腹を押さえ、ペコペコだとアピールする。
「そう言えば、桔梗もほとんど食べていないでしょ?」
「うん。でも、疲れ過ぎてお腹は減っていないわ」
ダメダメ! と薫は冷蔵庫に向かう。
そして、こうなることを予測し、作っておいたおいたオードブルやケーキを次々取り出し、テーブルに並べる。
「遠慮せず食べて」
流石! と琶子と桃花が手を叩く。
「じゃあ、ワインを持って来よう」
ソファーから身を起しかける金成を清は制し、グイッと琶子の手を引く。
「いや、俺がとっておきのを取って来よう」
「エッ? 私も行くんですか?」
お腹が空いているのに、と琶子は哀しそうに料理を見つめる。
薫は、引き出しからカトラリーを取り出す登麻里に囁く。
「何だかんだ言いながら、二人きりになりたいのよ、彼」
「しょせん富豪も、タダの男ってとこね」
ほら、あっちも、と桔梗の頬をソッと撫でる則武を、登麻里は顎で指す。


