そんな会話が交わされた翌日、裕樹の予想通り、あらゆるマスメディアが二組のカップルを取り上げた。そして、それは世界中に流れ、激震を与えた。

「俺は今日の午後、記者会見する」

則武の行動は実に早かった。それは、桔梗の躊躇や戸惑いなど、一瞬で払い除けるほどだった。何故なら、昨夜、帰宅途中に婚姻届けを提出してしまったからだ。

「時間を置けば置くほど、噂は変な方に走る。良からぬ噂を立てられ、桔梗と桃花を傷付けたくない。二人は俺の魂だからな、俺は二人を一生守る」

カッコイイじゃないか、と呟き、会場に向かう則武を見送った裕樹は、届いたばかりの新聞に目を落とす。

『業界きってのカサノバ、高徳寺則武、遂に美女&美少女母子に崩落!』

カサノバねぇ、その実、一途だったんだよねぇ。案外、リドルゲームサイト『シークレット』に登録したのは、桔梗を探すためだったかも……と祐樹は考える。