「明日、榊原のパーティーに参加する」
「あっ、おっしゃっていましたね」

清の隣で琶子がニコニコ相槌を打つ。

「……お前、もしかしたら、酔っ払っているのか?」
「ん? 酔ってませんよ。桃花プレゼンツ、クリスマス会、楽しかったですね」

ケラケラ笑う琶子に「やれやれ、酔っ払いほど、そう……」言うのだ、と清は続けたかったが、琶子のトロンとした顔を見るなり言葉が止まる。

「フ~ン、お前は酔うとこうなるのか。結構エロイな」
「だから、酔っていませんって! しつこいですね」

拳を作り清の胸を叩こうとして、体制を崩した琶子は、そのまま清の胸に倒れ込む。

「あらあら、琶子、ハイ、お水」

薫がグラスを差し出すが、琶子は一向に受け取らない。仕方がないので代わりに清が受け取る。

「この子、お酒は意外に強いのよ。でも、この子なりのフォールポイントがあってね。滅多にないけど、そこを過ぎると、パチンとスイッチが切れるの。で、こんなになっちゃうの。でも、可愛いでしょう。本人無自覚だけど」