もしも、うまくいかなくても。
もしも、全て忘れてしまっても。
もしも、碧人と出会う事のない人生になってしまっても。
今の私は、レイと出会えてよかったと心から思っている。
碧人を好きになり、こうして隣に居れる事を幸せに思っている。
レイと出会えなければ、今の私は存在しない。
碧人の隣りに居るのは、私ではなかったのだから……。
「本当にいいのか? 後悔しないのか?」
「うん、私は忘れたくない。忘れない」
心配そうなレイに向かい、私は笑顔を向ける。
大丈夫。
10年後のレイも、10年前のレイも、私には大切な存在。
絶対に忘れる事なんてないから。
レイが消える事も無いように、チョークを大切に走らせた。
黒板には、私の願い事がギッシリと刻まれている。
この全ての願いが叶うかは分からない。
けれど、この中の少しでも叶う可能性があるのなら。
私は……。
「よし、書けた」
レイ専用のチョークを使い果たした私は、指に着いたチョークの粉をパンパンと払う。
普通のチョークと違い、払った粉はキラキラと輝き。
それは、まるでスターダストの様に舞っていた。



