私の足元では、碧人が画鋲ケースと格闘している。
碧人のつむじを眺めたのは、いつ以来かな。
私の身長を超えた時だから……。なんて、呑気に眺めていると。
碧人が不意に顔を上げ、私を見上げた。
「何? どうしたの?」
「開かねぇ」
碧人は画鋲ケースを持った右手を差し出した。
これは「開けるの代われ」ってことだよね。
私は押さえていた左手を模造紙から離し、碧人に向けて手を伸ばす。
あれ?
ちょっと、これって。
少し違うけど、前と同じ……。なんて事が頭をよぎった瞬間。
私の左手は、碧人に掴まれ。
思いっきり引き寄せられたのだ。
「ちょっ……。碧人?」
碧人の腕の中で、私はうろたえてしまった。
だって。
あの時と同じように、気づけば碧人に抱きしめられいて。
大きな模造紙は、碧人と私の上から被っていた。
まさに思い出す、二人だけの空間。
この後、碧人は私の頬にキスをしたのだ。
「涼香」
碧人に呼ばれた私は、碧人の胸から顔を離す。
ものすごく近い距離の私達。
碧人の指が、私の髪をすくう。
耳にかけ、その指はフェイスラインをなぞり、顎で止まった。
どうしてだろう。
本来なら、こんなシチュエーションに、こんな碧人の行動に。
いちいちドキドキしているはずなのに。
今の私は、碧人に触れられている事が嬉しい。
もっと触れてほしいとさえ思ってしまっている。
碧人のつむじを眺めたのは、いつ以来かな。
私の身長を超えた時だから……。なんて、呑気に眺めていると。
碧人が不意に顔を上げ、私を見上げた。
「何? どうしたの?」
「開かねぇ」
碧人は画鋲ケースを持った右手を差し出した。
これは「開けるの代われ」ってことだよね。
私は押さえていた左手を模造紙から離し、碧人に向けて手を伸ばす。
あれ?
ちょっと、これって。
少し違うけど、前と同じ……。なんて事が頭をよぎった瞬間。
私の左手は、碧人に掴まれ。
思いっきり引き寄せられたのだ。
「ちょっ……。碧人?」
碧人の腕の中で、私はうろたえてしまった。
だって。
あの時と同じように、気づけば碧人に抱きしめられいて。
大きな模造紙は、碧人と私の上から被っていた。
まさに思い出す、二人だけの空間。
この後、碧人は私の頬にキスをしたのだ。
「涼香」
碧人に呼ばれた私は、碧人の胸から顔を離す。
ものすごく近い距離の私達。
碧人の指が、私の髪をすくう。
耳にかけ、その指はフェイスラインをなぞり、顎で止まった。
どうしてだろう。
本来なら、こんなシチュエーションに、こんな碧人の行動に。
いちいちドキドキしているはずなのに。
今の私は、碧人に触れられている事が嬉しい。
もっと触れてほしいとさえ思ってしまっている。



