「そうそう、さっきの話だけどね」と発車と同時に繭が話し出したのは、彼から連絡があったという話の続き。
どうやら、彼から電話があり。その夜のうちに仲直りしたみたいだ。
喧嘩のきっかけを聞けば、何のことは無い。
繭のわがままが原因だったのだ。
メールをしたら、すぐに返事がほしい繭だが、仕事中の彼は会議の真っ最中で。
スグにはメールを返せなかったことに腹を立てた繭が「別れる!」と言い出したのだとか。
仕事をしている身としては、彼の言い分は正しいと思う。
けれど、結局は彼の方が謝ってくれて一件落着という事らしい。
「なんじゃそりゃ、くっだらなーい」
「なによぉ。私にとっては一大事なんだから。すぐに返事してこないって事は、もしかしたら彼は他の女と浮気してるのかもしれないじゃない」
ないない。と私は繭に向かって手を振る。
今、繭が付き合っている彼は繭にベタ惚れなのが、私にでさえ伝わってくるほどだ。
あの彼が浮気なんて考えられない。
「男なんて、分かんないもんよ? 結婚してても、恋人が居ても。いい女が前に居たら、つまみ食いしたくなる生き物でしょ」
「そんな人ばっかじゃないよー」



