君が教えてくれたこと。



「恵音おかえり~」

五木くんが、帰ってから少し経つとチャイムが鳴り、私も教室へ戻る事にした。


(ただいま、ねぇ陽光)


「ん??」


(五木くんって知ってる?)


なんとなく知りたくなった。


理科室でしか、見たことない彼を、


理科室の外ではどんな人なのか


私が知らない彼を知りたくなった。





「五木って、あの五木!?」


(その五木であってるんじゃないかな.......?)





そんな、定番な苗字でもないだろうし。






「冷血王子だって文系女子が毎日騒いでるよ、
私も文理離れる前の1年の時クラス同じだったけどギャラリーが凄すぎてもう大変。」


(れ、冷血王子?)


「あのルックスなのに、女子に一切興味なくって、かなり冷たいし、告白した子でオッケーもらった子なんて、聞いた事ない。」


(モ、モテるだろうとは、思ってたけど凄いなぁ)



「恵音知り合い?」


(ちょっとね)


「好きなの?」


(それはないかな)


「恵音ももてるのになぁ。」





陽光.......私が恋する事は.....ないよ。