(あの、なまえは.....?)
「 五木 大空 sora 」
彼にぴったりでとても綺麗な名前だと思った。
(五木くんはどうしてここに?)
「.......わかんだろ」
あ、サボりですね。
「......2年?」
(はい)
「じゃあ、敬語いらねぇだろ。」
(2年ですか?)
「あぁ」
(わかった)
「.....あんたの声聞いてみてぇ」
(え。)
爆弾発言でしょそれ。
「声、生まれつきでねぇの?」
(ううん、)
「そ、」
理由を聞いてくるかと思った。
「聞いてほしくねぇだろ。初めて喋った相手に、」
五木くんには、お見通しだった。
言いたくないわけではないけど、言いたいわけはないよね。
「調子狂うな、」
(ん?)
「なんにもねぇ。俺、教室帰るわ」
(そっか、ばいばい)
彼は意味深な言葉を残して理科室を出て行った。
(私調子狂わす事したっけ?)
