えっ?


戸惑っている間にも、真剣なれおの顔がどんどん近付いて来る。


ま、待って。


え?


頭が追い付かなくてパニック状態。



「れ、れお……?どうしたの?なに、急に」



鼻と鼻が当たりそうなほどの近い距離に、れおの真剣な顔があった。


ドキドキが聞こえてしまうんじゃないかと思って、落ち着かない。


ううん、落ち着かないどころじゃない。


心臓が口から飛び出しそうなほど、速く激しく動いてる。


こんなの、初めてだよ……。



「どうやったら、しずがドキドキするのかと思って」


「え……?」



そんなことを、さも当たり前みたいな顔で堂々と言われる意味がわからない。


ドキドキって……もうすでに、死にそうなくらいヤバいんですけど。


れおの端正な顔立ちと力強い瞳に、ドキドキが止まらない。


どうして、そんなことを言うの?


私をドキドキさせて、どうしたいの?


キミは私をどこまでドキドキさせたら、気が済むの?


れおが……わからない。



「私のことが……好き、なーー」


「キス、する?」



私の声を遮るように、色気のある低い声が耳に響いた。


い、今、なんて……?


聞き間違いじゃ、ないよね?


キス……する?


そう言ったの?