だけどーー。
れおは空いた方の手で私の二の腕を掴むと、グイッと思いっきり自分の方に引き寄せた。
そして、そのまま私の肩を押してそこに沈ませる。
何が起こったかわからない私の背に、確かなシーツの感触があった。
視線の先には天井があり、ベッドに押し倒されたんだということがわかった。
「れ、れお……?」
私に跨るれおの真剣な瞳に体が固まる。
どこか大人の色気を含んだれおは、これまでの優しいれおじゃないみたい。
トクンと鼓動が大きく高鳴った。
それは次第に激しさを増して、心臓が口から飛び出しそうなほどにまでなった。
れおは黙ったまま私を見下ろしていたかと思うと、今度はその手で私の髪をすくって口元に持って行き、優しく口付けた。
「ど、どうしたの、れお……」
一体、なに?
どうして、髪にキスなんて……。
ドキドキしすぎて、心臓が持ちそうにない。
顔も真っ赤だ。
なんで、こんなことをするの?
わけがわからないよ、れお。
「今までの仕返し」
「え?」
「これで、ちょっとはしずもわかっただろ?」
「え……?」
なにが?
ますますわけがわからなくて、頭がおかしくなりそう。
仕返し?
「まぁ、しずはお子ちゃまだからな」
ニヤッと笑ったれおはいつものれおで、ますますわけがわからなくなっていく。



