「れおのことは応援してる。星ヶ崎に行きたいなら、行けばいいと思う……でも、好きだから」
好きだから、離れたくない。
それってワガママかな。
「そしたら、その気持ちをありのまま伝えてみれば?」
「えっ!?」
ありのまま……伝える?
好きだから、離れたくないって?
「そ、そんなの、ムリに決まってるじゃん……っ!」
あまりにも突拍子のないことを言うやっちゃんに、ついつい大げさに否定してみせる。
声が大きくなりすぎて、周りのクラスメイトにチラチラ見られた。
ううっ、恥ずかしい。
「どうして?付き合っちゃえば、離れても案外平気でいられるかもしれないよ」
「つ、付き合うって……やっちゃんは簡単に言うけど、私なんかが告白しても振られるのがオチだよ」
れおは私を幼なじみとしてしか見てないんだから。
「しずくでもダメなら、奴は男が好きだとしか思えないね。なんせ、マドンナの小百合も振られたらしいから」
「え?小百合ちゃんが?」
可愛くてフワフワして色白な小百合ちゃんは、私たちの中学では言わずと知れた有名人。
容姿がいい上にスタイルも抜群で、性格もいいときたらモテないはずがなく、他校からも会いに来る人がいるくらいの人気っぷりだ。
小百合ちゃんがれおのことを好きだったことにもビックリだけど、そんな小百合ちゃんを振ったれおにもビックリ。



