乗り込むってのは大げさだけど、とりあえず校門の前までやって来た。
ひとり違う制服を着てる私は、校門に立っただけでもすごく目立つ。
制服の色が全然違うもん、当たり前か。
「ここで待ってれば会えると思うから、頑張ってね」
「え?行っちゃうの?」
立ち去ろうとするあーちゃんと京太君。
ひとりはちょっと心細いから一緒にいてほしかったのに。
「ごめんね、これから塾なの」
あーちゃんの隣で京太君も申し訳なさそうに眉を下げていた。
「ううん、ここまで連れて来てくれてありがとう。あとはひとりで頑張ってみるね」
手を振って2人と別れ、校門前でれおを待つこと数分。
よっぽど珍しいのか通り過ぎる人に注目の的で、あからさまに何か言われてしまっている。
目立たないようにソッと角のところまで移動した。
ここからチラチラ覗けば、れおが来たらわかるはず。
って、私ってなんだか待ち伏せばっかりしてるよね。
「待って、桐生君!」
ぼんやりしていると、叫び声にも似た大きな声が聞こえた。
ソッと様子をうかがうと、校門の前にはれおがいて。
その後ろに同じ制服を着た女の子が立っていた。
女の子はれおの肩をポンと叩くと、手話で何やら会話を始める。
目が大きくて可愛い子だな。
私の知らないれおの世界がここにはあるんだね。
なんかちょっとジェラシー。
しかも、相変わらずれおはモテるよね。
「カリフォルニアには行かない」
「なんで!?資料まで取り寄せてたじゃん!学校にあるパンフレットだって、海外の物ばっかり見てるのに」
カリフォルニア……?
2人は大学の話をしてるのかな。
「ちょっと興味があったから取り寄せただけで、行きたいなんて本気で思ってたわけじゃないから」
きっと、女の子の耳はなんとか聞こえるんだろう。
れおは手話なしで言葉で返事をしてる。
そっか……あの資料はれおが取り寄せた物だったんだ。



