応援してないわけじゃない。
むしろ、れおのことを応援してるのはいつも一緒にいたこの私だもん。
そのれおが私から離れて行くという事実が、まだ受け入れられないんだよ。
明倫か星ヶ崎かを迷ってるってれおは言ったけど、私にはわかる。
れおはきっと、星ヶ崎を選ぶだろうってことが。
だって、ずっと一緒にいたんだよ?
れおのことはなんでもお見通しだ。
「星ヶ崎、だっけ?しずくもそこ受験すればいいじゃん。そしたら、桐生君とずっと一緒にいられるよ」
「私もそう思って調べてみたけど、私立だから学費がバカ高くて……入学金が100万もする上に、毎月の授業料も20万するんだよね」
そう言いながら、顔を上げて机に頬杖をついた。
「うわ、なにそれ。そんなの、一般家庭の人間には払えないな。さすがお坊っちゃま」
「……だね」
やっちゃんに空返事をした私は、そっぽを向いて窓の外を見つめた。
次の瞬間、「はぁ」と呆れたようなため息が聞こえて、視線を元に戻す。
「しずくは、桐生君がしずくに合わせて明倫学園を受験するって言えば満足なの?」
「…………」
違う。
私に合わせるなんてことはしてほしくない。



