「それさー、れお君は相当ガマンしてると思うよ」


「で、でも、10年でも待つって言ってくれたよ」


「それは究極の愛だねー。しーのことを大事に想ってるんだろうけど、さすがに10年も待たせるのはどうかと思うよ。普通の男なら浮気するよ」


「う、浮気……?そんなのやだ!」



放課後のファミレスでちーとパフェを食べながら恋愛トーク。


最近はもっぱら私とれおのことばかり。



「れお君はしーのことが相当好きだから、浮気はないでしょ。あーあ、あたしもしーみたいに大事にされたーい!」


「大事にされてないの?」


「いや、そういうわけじゃないけど。初々しい時期を通り越しちゃったから、最近マンネリ気味なんだよねー」


「ちーのところは安定してるって感じがするけど」


「その分刺激がないんだもん。もっと刺激が欲しーい!」


「この前旅行に行ったって言ってなかった?十分刺激的じゃん」



彼氏さんに会ったことはないけど、写メを見せてもらったことはある。


ちーの彼氏は、スーツがよく似合う大人の男性。



「旅行も今しか行けないからねー。夏辺りから受験に向けて予備校にも通わなきゃだし」


「そうだね。今年の夏は遊んでばかりいられないよね」



やだな、受験生活。


将来の夢もあやふやなままだし、何ひとつとして明確なものがない。