ずっと、キミが好きでした。



「もう!いつまで辛気くさい顔してんの?シャキッとしなよ、シャキッと」


「ううっ、だって……ムリだよ」


「ムリじゃないでしょ、ムリじゃ」


「…………」



机にうなだれる私に喝を入れるやっちゃん。


呆れ顔でこっちを見るやっちゃんから逃げるように顔を下に向けて、机に額をくっつける。


逃げ帰ったあの日以来、れおのことを避けてしまっている。


あれから3日。


れおに何度か話しかけられそうになったけど、トイレに行く振りをして教室から出たり、目が合うとあからさまに顔を背けたりしていた。



「いつまでもそんな態度じゃ、桐生君に愛想尽かされるよ」


「そんなこと、ないよ……れおは優しいから」



そう、優しいんだよ、れおは。


だから、私に謝ろうとしてくれている。


でも、謝ってほしいわけじゃないの。


れおにどうしてほしいのか、自分がどうしたいのか、それがよくわからない。


だから苦しいし、モヤモヤするんだ。



「桐生君が甘やかすから、しずくはヘタレになっちゃったんだね」


「ううっ……やっちゃん、ひどい」



いくらなんでも、そこまで言わなくても良くないですか?


ドンッて背中に重みが加わったよ、さっきの言葉。



「しずくはどうしたいの?」


「わかんない」


「桐生君のやりたいことを応援してあげないの?」


「……わかんない」