これじゃあ、れおが惚れるのもムリはない。
素直で良い子そうだし、お似合いだよね……。
「しず、小松さんは……」
「怜音君、ごめん。ちょっと外してくれる?」
小松さんはれおの肩をポンと叩き、ジェスチャーでそれを伝えた。
れおは素直に頷いて、私たちの元から遠ざかって行く。
なぜか疎外感を感じてしまい、シュンと肩を落とす。
応援しなきゃいけないのに、心が沈んでいく。
2人の間に深い絆があるように思えて、れおと離れていた1年という時間を取り戻せないことを痛いくらいに思い知った。
「わ、私とれおは……ただの幼なじみですから!何もないので、不安に思ったりしないで下さい……っ!」
「え?」
大きな瞳をより大きく見開く小松さん。
その顔もかなり可愛い。
「えっと……わ、私はれおのことが好き、ですけど!でも、それでもれおが選んだ人なら応援します!れおはしっかりしてるようで強そうに見えるかもしれませんが、本当はとても繊細で傷付きやすい人なんです……!」
「あの、えっと……何かカン違いしてるようだけど」
小松さんが恐る恐る口を挟む。
「え?カン違い……?」
「怜音君とは、ただのクラスメイトで友達なの」
「え……?」
「私はまだ補聴器で会話は聞こえるんだけどね。怜音君と同じで、小学校4年生の時に聴力を失ったんだ」
そう言って、小松さんは髪の毛で隠れた耳の中の補聴器を見せてくれた。



