ずっと、キミが好きでした。



「しーず。ほら、早く」



耳元で甘く囁かれ、ドキンと胸が高鳴った。


なんで……なんでそんなに色気を含んだ声で、囁くの?


わざと……?


やっぱりれおは、私をドキドキさせる天才だ。


そんな技、いつ身に付けたの?


れおばかりが大人になって、私だけが取り残されていく。


追いつきたいのに、追いつけない。


そんなのは嫌だから、私はれおの背中に回していた腕の力をゆるめて恐る恐る顔を上げた。



月明かりに照らされた端正な顔立ち。


これまでにないくらいの熱がこもった視線に、心臓がバクバク音を立てる。



「また泣いてる」


「な、泣いてな……っん」



クスッと笑ったかと思うと、突然れおに唇を塞がれた。


一瞬の出来事に何が起こったのか思考が追いつかない。


唇に触れるかすかな温もり。


それがれおの唇だと認識するのに、数秒かかった。


ううん。


離れたと同時に、それがれおの唇だと認識した。


触れていたのは、ほんの一瞬の間だけだった。



「な、なっ……っ」



今のって……キス、だよね?



「泣き止んだ?」



サラリとそんなことを聞いて来るれおには、恥ずかしさやドキドキしているような素振りは一切ない。


まるで、泣いてる子どもをあやすような優しい表情でそんなことを聞かないで。


子ども扱いされたくない。