それ以来、加川さんとは教室でよく話すようになった。
美人だけど気取ってなくて、派手だけどキャピキャピしているわけでもなく、あくまで自然体の加川さん。
そんな彼女に、いつしか私も心を開くようになっていた。
「あ、これ可愛い!」
「どれ?」
「これ」
ファッション雑誌のページの一部を指差す加川さんの手元を覗き込む。
そこには、ハート型のピアスが載っていた。
キラキラしてて、派手すぎず地味すぎないそのピアス。
「わ、ほんとだ。可愛い!」
「うわ、3000円かー。今月はちょっと厳しいなぁ。塾に通ってるからバイトも出来ないし。誕生日プレゼントに彼氏におねだりしちゃおうかなぁ。うーん、でも、こっちのネックレスも欲しいしなぁ」
「ほんとだ、ネックレスも可愛いね」
オシャレが大好きな加川さんは雑誌を見ながらメイクや髪型の研究をしたり、可愛い小物やアクセサリー類を身に付けて来て、よく生徒指導の先生から注意を受けたりしている。
それでも可愛い物には目がないらしく、こうしていつも雑誌と睨めっこばかりしてるんだ。
「月城さんも、彼氏におねだりしちゃえば?」
「か、彼氏なんていないよ」
「えー、ほんとに?すっごい可愛いから、モテそうなのに」
え!?
か、可愛い……?
私が?



